パワハラ上司に
グチグチ言われる毎日が辛い
パワハラ上司と上手につきあっていく方法とは?
- ストレスの雁字搦めから抜けだす術や、嫌な気持ちを楽しい感情に切り替えるテクニックを身に着ける
- パワハラ上司の真意を知るために、「上司のパワハラは理不尽なもの」という思考を変えてみる
- まずはパワハラ上司に興味を持って観察することで信頼関係の基盤を築き上げる


パワハラ上司を刺激しないように気を付けたはずが…
パワハラ上司の標的となってしまった
女性社員のAさん
Aさんの勤務先には、ヒステリックで有名な1人の上司がいました。
Aさんいわく、典型的なパワハラ上司です。部下に対する暴言や罵倒はいつものこと。それどころか、部下たちが何も言えないのをいいことに、自身の失態までなすり付けていたそうです。
パワハラの酷さはその日の上司の機嫌次第。機嫌を損ねてしまうとグチグチと嫌味を言われ続けるので、部下たちはなるべくパワハラ上司を刺激しないように過ごしていました。しかし、Aさんには更なる悲劇が待ち受けていたのです。
ある日突然Aさんだけに向けられたパワハラの矛先
Aさんはパワハラ上司のターゲットになってしまいました。
本人いわく、パワハラの標的になった心当たりはないそうです。酷い暴言を吐かれるのは女性社員の中でAさんだけ。
ほかの女性社員とは明らかに違う態度をとられる日々が続き、辛かったと言います。上司のパワハラは徐々にエスカレートし、時には「お前は無能だから人間以下だ」「来週からお前の席はない」というような言葉を浴びせられたこともあったそうです。
それも暴言は一時のものではなく、毎日3時間近く続いたとのこと。Aさんの心は深く傷つき、「なんで私だけがとばっちりを受けなきゃならないの…」と日々嘆いていたそうです。
上司の言うことに忠実に従ってみるも
状況は変わらず
まずAさんが取った対策はパワハラ上司の指示に従うことでした。
嫌な気持ちを耐えてでも、上司のパワハラを回避したかったのでしょう。しかし、これは失敗に終わります。「報告しろ」と言われたことを報告しても、「返事をしろ」と言われて返事をしても、上司の暴言は止まなかったのです。
次にAさんの頭に浮かんだ対策はパワハラの証拠収集。ボイスレコーダーで上司の暴言を録音して訴えようと考えたのです。
しかし、「もしバレたらどうしよう」「今よりも酷い仕打ちを受けるかもしれない」という恐怖に打ち勝てなかったAさんは、ボイスレコーダーを購入したものの実践できませんでした。
誰にも相談できない・どうしたらいいか分からないで状況は悪化
Aさんは、恐怖と申し訳なさの板挟みにあってどうすることもできずにいました。
「紹介で入った会社なので、知人の面目を考えると辞めるに辞められない。でも、何をしても怒られてしまう毎日が怖い…」という葛藤があったそうです。
また、Aさんは「私よりも辛い人なんてたくさんいるのに弱音を吐くなんて…」という考えから、誰にもこの悩みを相談できずにいました。
Aさんがパワハラを受けた耐えた期間は1年ほど。対策を打てずにストレスを抱え込んだ結果、生きるのが辛いほど心身ともに擦り減ってしまったようです。
ツラい状況を変えるために自分の思考パターンを変えてみる
ストレス解消のテクニックを身に着ける
事例を見て分かるように、Aさんは自らストレスを溜め込んでしまうタイプ。
「今よりも酷い仕打ちを受けるかもしれない」という恐怖から対策を実践できなかったり、知人の面目を考えて会社を辞められなかったり、誰にも相談できず抱え込んでしまったり…ストレスのがんじがらめ状態です。
Aさんのように、本当はこうしたいという思いがあるにもかかわらず、なかなか実践できずにストレスが溜まっている人は少なくないでしょう。そんな時は、NPLのスウィッシュ・パターンを試してみてください。
まずは「こうなりたい自分」と「今の自分」をイメージします。
こうなりたい自分は頭の隅に小さく目立たないように、今の自分は大きく色鮮やかにイメージするのがポイントです。そして、スウィッシュ!という掛け声とともに2つのイメージをトレードします。
なりたい自分のイメージは色鮮やかに、今の自分のイメージは小さく目立たない状態になりましたか?掛け声はスウィッシュ以外でもOKです。これを繰り返すことで、今まで抱えていたストレスが解消されてフラットな状態の心を取り戻せますよ。
五感をコントロールして感情の浮き沈みを矯正する
Aさんが辛いと感じるもう1つの原因は、「暴言や罵声が怖い」「怒られたくない」「嫌味を言われると落ち込む」といった数々の苦手意識を抱えているから。
もちろん、これらが得意だという人は滅多にいません。しかし、五感をコントロールする思考「サブモダリティ」というNLPテクニックを習得すれば、嫌な気持ちを楽しい感情にスイッチングできるようになります。まずは、色や音量、音のテンポ、体にかかる圧、温度や感触を上げ下げできるスイッチャーを頭の中に思い描いてみてください。
次に、上司のパワハラを思い出しながら頭の中のスイッチャーを上げて、明るい色や楽しい音楽、体の軽さ、心地の良い感触などをイメージしましょう。
試した時に嫌な感情が残っていれば失敗、気持ちが軽くなれば成功です。すぐに習得できるNLPテクニックではありませんが、今まで心にかかっていた負担を軽減できるので繰り返し実践してみてください。
良い関係を築くためにパワハラ上司の見方を変えてみる
パワハラ上司に対するイメージをリフレーミングする
Aさんが現在苦しんでいる原因の1つは、パワハラ上司が嫌いだからだと考えられます。
「この上司はパワハラをする」「私のことが嫌いなんだ」という意識に支配されると、それだけで膨大なエネルギーを使ってしまいます。
必要以上に上司の言動におびえて苦しむ結果となるでしょう。Aさんが上司から受けたパワハラは事実なので上司を好きになる必要はありませんが、NLPの考え方「リフレ―ミング」を用いることで事実を別の視点から捉え直すことができます。
極端な話をすると、パワハラ上司を「いい人」だと思って1日の行動を見てみてください。
たった1つでも良いところが見つかれば後は簡単。「この上司はいい人だ」と肯定的に考えられるようになると、上司の行動の意図に興味が出てくるはずです。
「いい人なのに何故あんなことを言うんだろう。何か理由があるかもしれない」と考えることは、パワハラ上司は嫌だからどうにもならないと思っているよりも効果的な対策になります。
信頼関係を築き上げるために上司を観察する
Aさんは、「報告しろ」と言われたことを報告しても、「返事をしろ」と言われて返事をしても上司の怒りは止まなかったと言います。
このすれ違いから考えられるのはラポール(信頼関係)の希薄さ。ラポールは月日の経過で築ける信頼関係とは違い、上司との共通認識を増やさない限り築けません。
ラポールを築き上げるためには、NLPのキャリブレーション(観察)を実践していきましょう。
キャリブレーションで大切なのは、ただ相手を見るのではなく、表情の変化や声のトーン、動作などを細かく観察すること。
それらの変化から相手が訴えたいことを読み取るのです。ただし上司の腹の中を探ろうとする行為はNG。
あくまでも上司とラポールを築き上げることが目的なので、真意を間違えないようにしてください。上司の声のトーンが高くなる瞬間があれば、言葉にしなくても喜んでいる可能性があります。笑顔でも動作が急いているようなら怒っているかもしれません。直接かけられる言葉以上に相手の感情が分かるので、まずは実践してみてはいかがでしょうか?
ネットや書籍だけでは
実践できない職場に役立つNLP講座の選び方


それぞれの対人関係の解消はたしかに、NLPのメソッドで解消できますが、頭でわかっていてもなかなか実践できないもの。 そこで役立てたいのが、多様な職種、さまざまな年代がいる講座で実践的に学ぶこと。オススメ講座や選び方を紹介します。