早く仕事を覚えてほしい!後輩の意識を変えるコミュニケーション方法
後輩の謙虚すぎる性格が災いして指導が響かない
- 後輩が質問・相談しない原因は、信頼関係が築けていないから
- ネガティブな考え方は質問によって変化できる
- ユーモアやセンスを加えながら、悪い思い込みを良い方向へ!


指導方法をどう変えればいい?
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- 悩み
- Aさんは後輩Bさんへの指導方法について悩んでいます。Bさんにはなんでも相談してほしいと言っているのですが、「みんなに迷惑がかかるので…」と消極的な態度。ことあるごとに声をかけても、前向きに取り組んでもらえません。指導が受けられないためミスも多く、Aさんは自分が悪いのではないかと落ち込んでしまいました。
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- 変え方
- Bさんが思うように頼ってくれないのは、AさんとBさんの信頼関係が築けていないせいかもしれません。NLPでは信頼関係を「ラポール」と呼びます。ラポールを築くためには相手のペースに合わせることが重要。後輩の指導をするときには否定から入るのではなく、まずは共感したうえでアドバイスを行う「yes but」が有効です。
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- 接し方
- 後輩のBさんは知らず知らずのうちにネガティブな思考に陥っています。NLPのメタモデルを使えば、Bさんを誤った思い込みから回復させることができるでしょう。ミルトンモデルやスライトオブマウスも有効なテクニックです。Bさんを漠然とした不安から解放できれば、自然と良い方向に向かっていきます。
何度言っても質問してくれない後輩への悩み

やる気があるのかわからない、遠慮しすぎで指導しづらい後輩
Aさんは後輩であるBさんの教育係になりました。Bさんは真面目で礼儀正しい人ですが、遠慮しすぎるところがあります。
常に「皆さんの邪魔になってしまうので…」と消極的な態度を取っており、仕事を早く覚えようとする様子が見られません。Aさんが指導しようとするのですが、「先輩もお忙しいでしょうから」と申し出を断られてしまいました。
やる気がないようにも見えますが、Aさんは「Bさんだってやる気はあるはず」と信じて日々接しています。
常に後ろ向きでミスが多く、根本の原因がわかっていない?
真面目すぎて頑なな印象を与えてしまう後輩のBさん。早く仕事を覚えてもらうために、Aさんはことあるごとに「せっかくの機会なので、一緒にやってみませんか?」と声をかけていました。しかしBさんは「迷惑になるので…」「上長に今日は終わって良いと言われたので…」と断るばかり。
教わる機会を自らつぶしているわけですから、Bさんは経験を積むことができず、たびたびミスを起こしていました。指摘すると「私は出来が悪いので…」と後ろ向きな発言をします。Aさんは「根本の原因がわかっていないのでは?」と感じていました。
「気軽に質問してください」と申し出ても状況は改善せず
AさんとBさんが働く会社は、「最初から完璧にできるわけではない。失敗も経験しながら人は成長していく」というおおらかな社風です。AさんもBさんに対して「わからないことがあれば気軽に声をかけて」と何度も言っています。しかし、Aさんから相談を受けることはほとんどありません。
「新人のうちは質問することも仕事のひとつ」「わからないことがあるのは当たり前ですよ」とフォローしてみても、「私ができないのが悪いんです。迷惑をかけてしまってすみません」と謝るばかりです。とりつく島もなく、Aさんは困ってしまいました。
質問してくれないのは、自分のせいではないかと落ち込むAさん
Aさんはできるだけ早くBさんに一人前になってほしいと思っています。
教育係であるAさんとしては、Bさんに早く一人前になってほしいと思っています。効率的に仕事を覚えてもらうためにも、「質問してください」「研修しませんか?」と声をかけ続けていました。
経験の浅いBさんにとって、仕事はわからないことだらけのはず。成長するなかで困難とぶつかり、失敗することも承知のうえです。社風も決して厳しくなく、気軽に質問できるような状況を作っているにも関わらず、なぜBさんが遠慮ばかりしているのか理解できません。
Aさんは自分が悪いのではないかと落ち込み、考え込んでしまいました。
質問しやすい関係性を作る

後輩とラポール(信頼関係)を結ぶことでコミュニケーションを改善
Bさんが遠慮しすぎて思うように頼ってくれないのは、Aさんとの信頼関係が築けていないせいかもしれません。
NLPでは信頼関係「ラポール」を重視しています。ラポールとは心と心が通い合っている状態のこと。先輩と後輩の関係で言えば、「親しみやすい」「相談しやすい」といった良い印象を抱いている状態です。
ラポールを築くためのスキルは、NLPで学ぶことが可能。最初のステップとして、相手の話す声の調子や使う言葉、しぐさを観察し、意図的に相手と合わせてみましょう。人は雰囲気が近い人に親近感を覚えるため、会話のペースを合わせるだけでも打ち解けやすくなるのです。
AさんはBさんとのラポールを築くことが第一目標。BさんがAさんに対して親近感を抱くようになれば、自然と相談する回数は増えていき、仕事もうまくいくようになります。
後輩にアドバイスを受け入れてもらうには「yes but」が有効
AさんはBさんに対して「わからなかったらなんでも相談してください」と伝えているものの、思ったような結果が得られていません。その結果ミスが生じても、Bさんは「私は覚えが悪いから」と後ろ向きな発言をします。
BさんがAさんの言葉を素直に受け入れられないのは、AさんのペースがBさんに合っていないせいかもしれません。たとえば後輩の指導をする際、問題点から話し始めるのはNG。否定から話が始まると相手は拒否感を覚えてしまい、どんなに良いことを言っても伝わりにくくなります。
このときに「yes but」は有効なテクニックです。まず「難しい内容なので、慣れるまで時間がかかりますよね」とうまくできなかったことへの共感やフォローをワンクッション入れます。それから「よりよくするなら、こんな方法がありますよ」と、本当に伝えたかったアドバイスをすることで、相手は受け入れやすくなるのです。
誤った思い込みを良い報告へ変化させる

NLPのメタモデルを使うことで、Bさんの誤った思い込みを解消する
Aさんが意識すべきなのは、Bさんが知らず知らずのうちに陥っている「省略」「一般化」「歪曲」を変えるような質問です。これはNLPでメタモデルと呼ばれています。
たとえばBさんの「みんなが迷惑している」というのは一般化であり、「私は覚えが悪いからうまくできない」というのは歪曲です。また、Bさんは仕事がスムーズに進まない理由を省略しています。こうした誤った思い込みを無意識のうちに行っているため、Bさんは積極的になれないのです。
Aさんはこうした思い込みを正すよう質問をする必要があります。「みんなが迷惑している」というBさんに対して「誰かに迷惑していると言われたことがあるのか?」と質問することで、Bさんは自身の思い込みに気付くはず。メタモデルを使うことで、誤解から開放させることができるでしょう。
コミュニケーションスキルを使ってBさんを不安から解放させる
Aさんが会話のスキルを変えるだけでも、Bさんの考え方を前向きにして、仕事をスムーズに進めることは可能です。ここで役立つのは、NLPの「ミルトンモデル」や「スライトオブマウス」のテクニック。
ミルトンモデルとは、会話のなかで意図的にあいまいな表現を使うことです。Aさんが「いろいろ頑張ってますね!」と声をかけると、Bさんは自分の良いように言葉を受け取れます。これにより、お互いの会話のペースを合わせやすくなるでしょう。
スライトオブマウスは人の制限となっているビリーフを緩和させるもの。Bさんの「私は出来が悪い」というビリーフに対して、「どこまでならできますか?」「どんなことならできそうですか?」と、ビリーフを解体して具体化していきます。その結果Bさんは自分のことを異なる視点から見つめ直し、漠然とした不安から解放されるのです。
ネットや書籍だけでは
実践できない職場に役立つNLP講座の選び方


それぞれの対人関係の解消はたしかに、NLPのメソッドで解消できますが、頭でわかっていてもなかなか実践できないもの。 そこで役立てたいのが、多様な職種、さまざまな年代がいる講座で実践的に学ぶこと。オススメ講座や選び方を紹介します。