部下の指導の仕方がわからない

部下の指導が行き過ぎた?
うまく成長に
繋げるための
コミュニケーションスキル

部下の指導がうまくいかないのは信頼関係の問題?

  • 部下が何を考えているか、部下の立場になって考えることも大切
  • 相談しやすい上司は、部下の話に耳を傾けてくれる
  • 自主的に問題を解決できるように部下を育てるためには、質問を工夫する

指導方法をどう変えればいい?

  • 悩み
    Aさんは入社2年目のBさんを厳しく指導していました。営業職のAさんはクライアントからの要望をBさんに伝える必要があるのですが、Bさんにはうまく伝わらずイライラすることも。Bさんの先輩であるCさんが間に入って励ましていたものの、社内全体の空気は悪くなる一方でした。BさんやCさんをはじめとする若手社員は次々と会社を辞めていく結果に。
  • 変え方
    仕事を円滑に進めるためには上司と部下の信頼関係(ラポール)が必要です。そのために上司は、部下の気持ちになって考えることが求められます。ここではNLPのテクニックである第三の立場とリフレーミングが役立つでしょう。相手の短所を長所に言い換えることで、部下の意識を高めることができます。
  • 接し方
    ラポールを築くために重要なのは、上司の「話を聞く態度」です。部下が話をしているときには遮らず、じっくり聞くようにします。うなずいたり相槌を打ったりすることで、ラポールは生まれやすくなるでしょう。部下のやる気を引き出すためには、上司から部下への質問方法も重要です。NLPのミルトン・モデルを使えば、相手の自発性を引き出すことも難しくはありません。

部下を育てようとビシバシ指導するも空回り!
最終的には…

部下を育てようとビシバシ指導するも空回り!最終的には…
悩みTrouble

部下を一人前にするために、よかれと思って強く指導していた上司

Bさんは入社2年目で、制作担当として堅実に働くタイプでした。Bさんの上司であるAさんはバリバリの営業職というだけあって、とにかく熱い性格。会社の士気を高めることに力を入れていました。Bさんに対しても厳しく教育していくことを決め、強い態度で指導することが多かったと言います。Bさんがうまくできないときには「なんでできないの?」と強い言葉で叱責していました。

AさんはBさんを一人前に育てたいという気持ちで厳しく指導していたのですが、それがBさんの自信を失わせる結果となってしまったのです。

クライアントからの要望が部下のBさんにうまく伝わらない

営業職であるAさんは、クライアントからの要望を制作担当のBさんに伝える必要があります。クライアントが細かい修正依頼を出してくることも多く、Aさんはその都度、詳細に伝えなければなりません。

しかしBさんは入社2年目とあって、まだまだ仕事を覚えている最中。上司のAさんが話す専門的な言葉がよくわかっていない様子です。AさんはBさんに修正内容が伝わらず、イライラしてしまいます。見かねた入社7年目のCさんが「Bさんはここがわからないのではないでしょうか」とフォローすることもしばしばありました。

入社7年目のCさんから、後輩であるBさんへのフォロー

Aさんに怒鳴られてばかりいるBさんのことが気になっていたCさん。Cさんは入社7年目で、上司のAさんと部下のBさんの間です。Bさんを励ましてみようと、プライベートで電話をかけてみました。Bさんは案の定落ち込んでおり、「僕ができないばかりに皆さんにまで迷惑をかけてしまって…」と消極的な言葉が。

入社当初のBさんはやる気に満ち溢れていました。Aさんの厳しい教育の結果、自信を失っていることは明確です。しかしBさんを成長させるため、あえて厳しく指導しているAさんの気持ちもわかるCさんは、やりきれない気持ちになりました。

Bさんの不安やストレスが周囲を巻き込み、会社が大変なことに

この会社ではAさんだけが特別に厳しいわけではありません。ベテラン社員は若い社員に対して「ビジネスマンである以上、入社したその日からプロフェッショナルであれ。甘えは許さない」というモットーで指導にあたっています。

結局、この会社にいては苦しむだけだと判断したBさんは退職することに。そんなBさんを「最近の若者は根性がない」と非難する社員たちを見て、Cさんも失望します。結局、Cさんやその他の若手社員も次々と辞めてしまいました。

Aさんは決して、BさんやCさんをいじめていたわけではありません。部下の教育において、何が不足していたのでしょうか。

部下との信頼関係(ラポール)を築く

部下との信頼関係(ラポール)を築く
変え方How to change

相手のペースに寄り添うことで信頼関係が生まれやすくなる

仕事を円滑に進めるうえで、上司と部下の信頼関係は欠かせません。NLPでは信頼関係のことを「ラポール」と呼んでいます。上司Aさんは部下であるBさんの立場になって考えることがなく、常に自分のペースで話を進めていました。これではラポールを築くことはできません。

NLPではラポールを築くためのテクニックを身につけることができます。はじめは相手の話す様子や、視線の動きをさりげなくチェックしましょう。

次に、相手のペースに合わせて会話をします。たとえば、声のトーンが低ければ自分も同じように落としてみる、呼吸が浅くて辛そうなら相手の「辛い」という気持ちに共感するなど。相手の状態に近づくことで心の距離が縮まります。

言葉の使い方も歩み寄ることが重要です。部下がよく使う言葉を取り入れながら説明することで、伝わりやすくなるうえにラポールも構築しやすくなります。

第三の立場とリフレーミングで部下の立場になって考える

上司Aさんも、Bさんの気持ちになって考えていたら結果は違っていたかもしれません。NLPでは「第三の立場」になって考える練習を行います。まずはBさんの立場から、「上司である自分はどう見えるのか」「Bさんは上司に何を伝えたかったのか」と、なりきって考えるところからスタート。

次に、鳥や神のような第三の立場から自分とBさんの違いを見つめ、最後に自分のポジションに戻って気付いたことを振り返ります。すると、部下の言動の意味が以前より理解しやすくなり、指導方法も変わってくるのです。

NLPメソッドのひとつであるリフレーミングも役立つでしょう。これは、相手が短所だと感じていることを長所として言い換える方法です。たとえばBさんの「仕事が遅い」という短所を、「仕事が丁寧」「じっくり取り組む力がある」などと言い換えることで、長所に変えることができます。

部下のやる気を高める上司のコミュニケーションスキル

部下のやる気を高める上司のコミュニケーションスキル
接し方How to contact

信頼関係(ラポール)を築くには部下への「話を聞く態度」が重要

部下とコミュニケーションを取りたいと思っていても、上司に「話を聞く態度」がなければうまく意思疎通はできません。AさんはBさんが考えを述べてくれたときに共感することもなく、すぐに否定していました。これではNLPにおいて重要なラポールを築くことは困難です。

自分の考えや態度を受け入れてもらえないことがわかれば、部下は上司に対して拒否感や嫌悪感を抱くもの。その雰囲気は会社全体に蔓延し、Aさんの会社のように複数の退職者を出してしまうかもしれません。

部下は上司に対し、勇気を出して話しかけています。上司は部下の気持ちを受け入れ、自分の意見を口に出さず、まずは最後まで話を聞くようにしましょう。途中で遮ることなく、うなずいたり相槌を打ったりすることで、部下は安心感を抱きます。この積み重ねがラポールを築くことに繋がっていくのです。

質問の方法を変えるだけで部下の成長を促すことができる

AさんはBさんに対して「早く仕事を覚えてほしい」という気持ちで、あえて難しい専門用語を使うことがありました。しかし、Bさんに伝わらなければコミュニケーションは成立しません。「なぜわからないの?」と質問しても、部下の成長を引き出す答えは得られないでしょう。

NLPにおいて、相手に質問するときには「何に焦点をあてて考えさせるか」という点を重視します。「なぜわからないのか」と聞かれたBさんは、わからない原因にフォーカスをあてて考えてしまうはず。しかし本来明らかにしたいのは、部下のBさんがどうやったら理解できるのかという部分であり、「どうすれば理解できるのか?」という問いかけを行うべきでした。

さらにNLPメソッドの「ミルトン・モデル」を使うと、相手の抵抗を受けることなくメッセージを届けやすくなります。相手の自発性も引き出すことができ、部下の育成には最適です。

ネットや書籍だけでは
実践できない職場に役立つNLP講座の選び方

それぞれの対人関係の解消はたしかに、NLPのメソッドで解消できますが、頭でわかっていてもなかなか実践できないもの。 そこで役立てたいのが、多様な職種、さまざまな年代がいる講座で実践的に学ぶこと。オススメ講座や選び方を紹介します。

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