感情や行動をコントロールするアンカリング
対人関係に、自分の感情のコントロールに役立つ
NLPメソッド大公開
特定の行動や音楽、言葉などをきっかけ(アンカー)にして、落ち着きを取り戻したり集中力を高めたり、目的の反応を呼び起こすことをNLPではアンカリングと呼びます。アンカリングは自己コントロールに有効です。
アンカリングで自分の感情や行動をコントロールしよう
- 特定の反応を起こす引き金、アンカーを意図的に行うことで、行動や感情を呼び起こせる。
- アンカーには視覚、聴覚、体感覚など、五感が関わっていて、経験を繰り返せば繰り返すほど強くなる。
- アンカリングには4種類あり、複数の状態を呼び起こしたり、望ましくない状態を打ち消したりすることもできる。
望ましい状態を呼び起こすアンカリング
アンカリングとは?
アンカーとは特定の反応を起こす引き金となる刺激のことをさします。アンカーには視覚アンカー、聴覚アンカー、体感覚アンカー、空間アンカーの4種類があります。
視覚アンカーは特定のシンボルやマーク、絵、写真、物質などを見ることによって反応が生まれるもので、例えばレモンを見ただけで「すっぱい」と感じで唾液が出るようになります。同様に聴覚は特定の言葉や音楽を耳にすることで、体感覚アンカーはしぐさやポーズなどをすることで、空間アンカーは特定の部屋や席にいることで、特定の反応が現れます。
ベートーヴェンの歓喜の歌を聴くと年末だと実感する、スポーツ選手が特定の行動をするルーチンを行うと力を発揮できるのも、アンカーなのですね。
このアンカーを意図的に作ることをアンカリングと言います。いわば自分の中にスイッチを作るようなもので、一般的にはルーチンという名前で知られています。
アンカリングには以下の4種類があります。
・リリースアンカー
・スタッキングアンカー
・チェイニングアンカー
・コラプシングアンカー
それぞれ詳しくご紹介します。
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望ましい状態になるための
リリースアンカーリリースアンカーとは特定のリリース(状態、スキル、経験、信念、対人関係など)を呼び起こして、望ましい状態になるためのアンカリングです。例えば勉強する前に「集中したい」というときには、左手で右手首を押さえながら、勉強に集中していたときのことを思い出してみてください。
これを繰り返し行うと、左手で右手首を押さえる動作がアンカーとなります。
やがて、勉強前に左手で右手首を押さえると集中した経験が思い起こされて、自然に集中できるようになります。 -
複数の状態を呼び起こす
スタッキングアンカースタッキングアンカーとは同じアンカーに複数のリリースを結びつけるアンカリングです。先程の左手で右手首を押さえる動作に「集中する」というリリースに加えて、「好奇心をもつ」「行動的になる」というリリースを加えて繰り返し実践しましょう。
やがて、勉強前に左手で右手首を押さえる動作をすることで、集中してかつ好奇心があり、行動的になれるという良い状態を生み出せるようになります。 -
チェイニングアンカーで
段階的に望ましい状態になる望ましい状態と、現在の状態に差があるときに段階的にアンカーを発火させる手法です。例えば遊び終えてリラックスした状態のときに、いきなり勉強で集中するのは難しいものです。
例えば、まず右手で左手首を押さえる動作に「集中する」というリリースを結びつけます。そして、左手で右手首を押さえる行動に「行動的になる」というリリースを結びつけます。
右手で左手首を押さえることで集中が高まったと実感したら、左手首で右手首を押さえることで行動的になることができます。 -
コラプシングアンカー
で良くない状態を打ち消すコラプスとは「崩壊させる」という意味です。良くない状態を打ち消し、良い状態を呼び起こすことをコラプシングアンカーと言います。
例えば左手に集中できなくてだらけてしまう状態を、右手に集中できて前向きになる状態を結びつけましょう。
そこで、両手で同時に膝をたたくことで、良くない状態が消え、良い状態が残ります。
職場で役立つ
アンカリング活用法


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チェイニングアンカーでパニックから回復
人前で話をする際、緊張からパニックに陥ってしまうE子さんは、チェイニングアンカーを利用して、まず「冷静になる・リラックスする・堂々と話す」という3つのリリースを、それぞれ握った状態の左手から、人差し指を伸ばす、中指を伸ばす、薬指を伸ばす、という3つのアンカーに結びつけました。するといざという時も左手を人差し指から順に開くことで、落ち着いて話せるようになりました。
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コラプシングアンカーで
苦手な上司と話すA菜さんは苦手な上司がいます。かつて、A菜さんがその上司から激しく叱責されてから、A菜さんの中に苦手意識が芽生えてしまったのです。しかし、その上司もいつも怒っているわけではなく、普段はやさしい性格です。
ある日、A菜さんと上司は新規案件のミーティングをすることになりました。ミーティングの前に、A菜さんは右手に上司に怒られたこと、左手に上司と談笑していることをそれぞれ結びつけ、同時に膝をたたきました。すると、怒られた思い出が談笑している思い出に打ち消され、その後のミーティングも和やかにできたということです。 -
リリースアンカーで
プレゼン前に自信をもつM嘉さんは難しいプレゼンを控えていました。いつもはプレゼンが得意なM嘉さんですが、今回は取引先の重役に対して新商品を説明し、取引金額も桁違いなので、さすがのBM嘉さんも緊張しています。そこで、M嘉さんは左手で右手首を押さえながら、堂々と自信をもってプレゼンをしている状態を思い出しました。すると気持ちが切り替わり、重役相手でもいつもどおりのM嘉さんのプレゼンができるようになりました。
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チェイニングアンカーで
仕事に集中する昼休み後にどうしてもだらけてしまって仕事に集中するまでに時間がかかるCさん。そこで、チェイニングアンカーを試してみました。右手で左手首を押さえる動作に「集中する」というリリースを、左手で右手首を押さえる動作に「効率をアップする」というリリースを結びつけました。お昼休み後、デスクに戻ったときに右手で左手首を押さえ、それから左手で右手首を押さえることで、午後からの仕事も集中してできるようになりました。
- 「アンカリング」は、特定のきっかけ(アンカー)と望みの状態(リリース)を結びつけておき、好きな時に自分をコントロールする方法。
- アンカーには、「視覚アンカー・聴覚アンカー・体感覚アンカー・空間アンカー」の4種類がある。
- アンカリングのテクニックは、さらに「リリースアンカー・スタッキングアンカー・チェイニングアンカー・コラプシングアンカー」の4つに分類される。
効果的にNLPを学べる
講座の選び方


どんな百戦錬磨の営業マンであれ、重要な取引先でプレゼンを行う際には、大なり小なり緊張するもの。緊張した結果、上手に説明をすることができず契約に結び付けられなかった、という経験をした人もいることでしょう。
人は、そのシーンが重要であればあるほど、心理状態が追い込まれます。普段のようにリラックスしてふるまうことができれば、何の問題もないことでも、心理状態が邪魔をして普段の何分の一の力も発揮できないことは、よくあることです。
逆に言えば、常に自分の心理状態を自在に操れるようになれば、どんなに素晴らしいことでしょう。仕事上の評価はグッと上がり、人生そのものが大きく変わってくるかも知れません。
アンカリングは、どんなシーンでも反射的に自分の求める心理状態を作り上げる画期的な方法。アメリカで開発された実践心理学・NLPにおいて提唱されている理論です。
今や世界的にも有名なNLPなので、その理論はネット上や書籍などを通じ十分に知ることができます。しかしながら、いかに理論を深く知っても、実践できなければ意味がないのがNLP。実践を学ぶためには、ケーススタディなども行っているスクールで専門的に学ぶ必要があります。
以下では、NLPの実践を学ぶことができる専門スクールをご紹介しています。どんなシーンに置かれても自分の能力を最大限に発揮したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。