質問の仕方で問題解決へと導く(メタモデル)

質問の仕方で問題解決へと導くメタモデル

対人関係に、自分の感情のコントロールに役立つ
NLPメソッド大公開

NLPでは、質問や会話で得られた言葉から、その奥にある意味や隠された情報、省略されてしまった内容を引き出すテクニックをメタモデルと呼びます。メタモデルによって、本当の問題点やその解決の糸口が掴めます。

メタモデルで相手が見えなかった問題点が見える

  • メタモデルで質問することによって、言葉には出ない情報を引き出し、相手に気づきを与えることができる。
  • メタモデルには「省略からの回復」「歪曲からの回復」「一般化からの回復」がある。
  • アドバイスするのではなく、質問をすることで相手の考え方や意識を変えることができる。

効果的にメタモデルを習得する
NLP講座の選び方

質問で気づきを与えるメタモデル

メタモデルとは?

人はしばしば、偏見や歪曲、思い込みといったことから行き詰まった状態に陥ります。メタモデルとは、そうした状況を打破し建設的な状態にするための質問スキルのことです。

神経言語プログラミング=NLPの開発者であるバンドラーとグリンダーは、ある3人の天才的セラピストの使う言葉や心理的なアプローチを分析しました。そこから引き出された、優れた結果を出せるパターン、短期間で変化をもたらすことができるパターンとして紹介されたのがメタモデルです。

メタモデルが効果を発揮するのは、他者に対してだけではありません。停滞状態に陥った自分自身に対しても、その考え方や視点を変えることで前向きな心理状態になることができます。メタモデルのもたらす効果には、以下のようなものがあります。

  • すれ違いをなくし、コミュニケーションが正確にできるようになる
  • 問題解決能力を強化することで信頼を勝ち取ることができる
  • コーチング、コンサルタントの現場でブレイクスルーを起こせるようになる
  • 人材育成、教育、子育てなどの場で相手のやる気を引き出すことができる
  • プライベートの場でも誤解を減らし、コミュニケーションが円滑になる

また、メタモデルには以下のような種類があります。

  1. 一般化

    例外が排除されていたり、一部の状態を全体に拡大して適用したりしているものです。例えば、「都会の人はみんな冷たい」「女性はみんな嘘つき」といったような言葉です。また、「ダイエットするにはランニングをしなければいけない」といったような制約を設ける言葉もこれに当たります。

  2. 歪曲

    十分な検証なく自分の考えを決めてしまうことです。例えば、「彼女からの返信が遅いから自分は嫌われている」「仕事でミスをしたから自分はもうダメだ」といったような言葉です。思い込みに陥り、自ら停滞した状況を作ってしまいます。

  3. 削除

    会話の中から具体的な情報が削除されているパターンです。「みんながAさんの噂をしている」という会話からは、「みんな」が具体的に誰を指しているのかが削除されています。「君には努力が足りない」という言葉には、「努力」が具体的に何を指しているのかがわかりません。

職場でもすぐに実践できる
メタモデルテクニック

    ここでは、職場ですぐに実践できるメタモデルテクニックを、そのパターンごとに分類して取り上げていきます。

  1. 削除のパターン

    1、「みんなが私を嫌っている」:「みんな」とは誰なのかが削除されています。そのため、だれが、いつ、どのように、どこでといった具体的な情報を引き出します。

    2、「上司にもっと理解を示してほしい」:具体的にどんな行動を望んでいるのかが削除されています。そのため、具体的にどうしてほしいのかを引き出します。

    3、「この商品は高すぎる」:具体的な比較対象が削除されています。そのため、具体的に何と比べてそう感じたのかを引き出します。

  2. 一般化のパターン

    1、「私にこの仕事は無理です」:できないと決めつけている状態です。そのため、もしできたとしたら?そう思わせているものは何?といった質問を投げかけます。

    2、「この会社の人はみんな冷たい」:一部からの印象を全体に拡大している状態です。社内で親切な人に出会ったことはないの?といった質問をしてみましょう。

    3、「従来のやり方を変えるべきではありません」:○○であるべきというパターンです。そのため、もしやり方を変えたらどうなる?といったように、可能性を提示するのが効果的です。

  3. 歪曲のパターン

    1、「あの社員は私を嫌っているに違いない」:根拠のない憶測で決めつけている状態です。どうしてそれがわかるの?といったような質問が効果的です。

    2、「最近の新入社員はやる気がない」:そう感じた前提が隠れている状態です。その前提を引き出すために、「なぜそう思ったの?」といった質問が効果的です。

    3、「メールの返事が遅いので、取引先に嫌われている」:「メールの返事が遅い」と「取引先に嫌われている」がイコールとなっています。その複合を解くために、「どうしてメールの返事が遅いことが取引先に嫌われていることにつながるの?」と質問してみましょう。

メタモデルの活用事例
(使った場合と使わなかった場合)

  1. メタモデルで仕事を抱え込んでいる友人を助けた事例

    A佳さんは頼まれると断れない性格のため、いつも頼まれごとをされています。たとえ自分の仕事が忙しい状態であっても、A佳さんには頼みを断ったり、他の人に仕事を回したりするといった選択肢が見えていませんでした。

  2. メタモデルで部下の仕事の悩みを解決

    C華さんは、女性管理職としてたくさんの部下をまとめています。しかし、その中には思うように成果を上げられず悩んでいる部下もいます。しかし、C華さんにはそういった部下がなぜ思うように成果を挙げられないのかがわからず、困っています。

  3. メタモデルでクライアントの真の要望に気付いた

     E子さんは、子供向け施設を作るプロジェクトのリーダーとして抜擢されました。そこで、クライアントからの要望書をもとにしてチームでアイデアを出し合っていたのですが、クライアントは企画内容に対してなかなかOKをくれません。Eさんはクライアントが具体的にどのような方向性を望んでいるのかがわからず、プロジェクトは停滞気味になってしまいました。

    メタモデルを修得するために必要なこと

  4. メタモデルは、相手をポジティブにするためのものではない

    誤解されがちな点ですが、メタモデルは決して相手をポジティブにするためのテクニックではありません。相手が陥っている停滞した状況を解きほぐし、新しい認識と選択肢を生み出すためのものです。決してやる気を引き出すといったようなものではないことに注意しましょう。相手と自分の認識が違うというところから出発し、相手の状況を尊重することが大切です。

  5. ラポールを形成しよう

    メタモデルの効果的な活用には、相手との信頼関係、すなわちラポールの形成が必要不可欠です。このラポールが十分に形成されていれば、相手には「共通の目的に向かっている」ということが伝わるので、メタモデルの効果がより高まります。簡単なやり方としては、相手との会話の際に、「あなたは○○と感じているんですね」といったようなクッション言葉を入れるのが効果的です。

  6. 「なぜ?」ではなく「どうやって?」を引き出す

    メタモデルの質問の際には、「なぜ?」はあまり効果的ではありません。なぜなら、この聞き方だと詰問のように感じられやすく、適切なコミュニケーションが生まれにくいのです。また、「なぜ?」という聞き方は、本当の答えではなく正当化や言い訳を引き出してしまいやすいのもその理由のひとつです。そのため、「なぜ?(Why)」ではなく「どうして?(How)」と聞くようにしましょう。これなら「何が起きているのか」を引き出しやすくなります。

  7. コミュニケーションであることを意識する

    メタモデルの活用は、一方的に質問することではありません。あくまでコミュニケーションであることを意識しましょう。そのためには、話の内容に引きずられないように、「相手は何を大切にしているか」「相手は何を伝えたがっているか」「一般化されているもの、削除されているもの、歪曲されているものは何か」といった、上辺だけの会話には現れていない無意識の部分を理解していくことが大切なのです。

  8. 繰り返すことで習慣化する

     メタモデルのテクニックは、たった一度行えばいいというものではありません。場合によっては、メタモデルのテクニックによって認識を変えるのに時間がかかる場合もありますし、用いる側にとってもさまざまな場所で繰り返すことが重要です。ビジネスシーンはもちろんですが、それ以外の場所でも積極的にメタモデルのテクニックを用いることで、より習得が早まるでしょう。

メタモデルが学べるおすすめのNLP講座

メタモデルを学ぶには、ヒューマンアカデミーのNLP講座がおすすめです。NLPとは「Neuro Linguistic Programming」=「神経言語プログラミング」のことで、多くの人が持つ理想的な治部煮や状況のイメージを実現するための実践心理学です。本講座では、10日間での実践的なスキル、テクニック、パターン及びコンセプトの習得を目指しています。ビジネスシーンに特化した本講座を受講すれば、社内外問わずメタモデルを活用できるようになるでしょう。

クラスは少人数制で、さまざまな立場や環境の人々と一緒に学ぶことができます。それによって、感情や思考、行動をコントロールできるようになり、多くの成功者が持つ「気づき」を得られるようになるでしょう。

学び方も幅広く選ぶことができます。ヒューマンアカデミーの講座には、通学、通信、E-ラーニングの3種類あるので、自分の環境に合わせた選択ができます。通信やE-ラーニングなら、子育てと並行して行うことも可能でしょう。学ぶ目的も、好転、診断、維持・予防、機能向上から選べます。

無事講座を終了したあとには、米国NLP協会による認定証が発行されます。これを取得すれば、名刺や経歴に「米国NLP協会認定NLPプラクティショナー」と明記することができます。もちろん、ビジネスの場でも最大限活用することができます。

【まとめ】

メタモデルとは、偏見や歪曲、思い込みによって行き詰まった状況に陥った相手に対し、その状況を打破するための質問スキルです。

メタモデルには、一般化、歪曲、削除の3つのパターンがあります。

一般化は、ごく限られた情報を全体に適用したり、例外を排除していたりする状態です。上京してからたまたま1人に冷たくされたことから「東京の人はみんな冷たい」と思い込んでしまうのがこれに当たります。

歪曲は、根拠のない憶測で事実を決めつけている状態です。「あの上司は私を嫌っているに違いない」といったような思い込みがこれに当たります。

削除は、必要な情報が表に出ていない状態です。「みんながAさんの噂をしている」といったときに、その言葉からは「みんな」が具体的に誰を指しているのかが削除されています。

メタモデルを正しく習得するためには、まずこれは必ずしも相手をポジティブにするためのテクニックではなく、あくまでコミュニケーションであることを理解しておきましょう。さらに、このテクニックを効果的に用いるためにはラポールの形成が必要不可欠です。質問の際には「なぜ?」ではなく「どうして?」を意識した質問の仕方をしましょう。こうすることで「何が起きているのか」を引き出しやすくなります。そして、これらを繰り返して習慣化することでより早くメタモデルのテクニックを習得できるでしょう。

また、メタモデルのテクニック習得のためにはヒューマンアカデミーのNLP講座がおすすめです。10日間の集中講座を終えれば、米国NLP協会による認定証が発行されます。

効果的にNLPを学べる
講座の選び方

NLPのメソッドやテクニックはネットや書籍で学ぶことは十分に可能です。ただ、職場や仕事で活かすためには、対人で実践できる講座がオススメ。なかでもより効果的に学べる多様な年齢層や職種の人のいる講座をどういう基準で選ぶのか?おすすめの講座はどれか?などを紹介します。

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