教育現場で活かせるコーチングとNLP

教育現場で活かせるコーチングとNLP

Coaching
  • 教育コーチングとは、青少年の能力やモチベーションを引き出し、自立した人材を育てるメソッド。
  • 「4つのトライアングル」が基本理念で、「あり方」「信念」「姿勢」「成果」という要素が重なり合っている。
  • 教育コーチングはコミュニケーションを土台としたメソッドなので、NLPを学んでから実践するのが効果的。

教育コーチングとは、社団法人日本青年育成協会が認定しているコーチングのメソッドです。同協会は世界から尊敬、信頼され、愛される日本人、特に青少年の育成と、それに携わる『架橋力』を持った指導者を育成することを目的に、1994年に設立されました。

教育コーチングでは「傾聴」「質問」「承認」という3つの方法を使って青少年の能力やモチベーションを高め、自立をサポートするコミュニケーションスキルがベースとなったメソッドです。

青少年本人はもちろん、教育コーチングを用いるコーチ自身の「あり方」「信念」も非常に重視されている点が特徴的。保護者向けの「パパ・ママコーチング」というプログラムも開発されています。

この教育コーチングはどちらかといえば子供の教育用のメソッドではありますが、方法や考え方は職場、特に若手社員の育成にも応用できるものです。

教育コーチングとNLPの関わり

教育コーチングはコミュニケーションが土台となったメソッドです。相手の話を聞き、質問し、認める。そのプロセスではNLPの手法が大いに活用できます。

いきなり教育コーチングを実践するのではなく、まずNLPでコミュニケーションの手法を勉強するのがおすすめ。その後、教育コーチングを実践するときに、「この場合はNLPのメソッドが使えるな」「ここでNLPで勉強したメソッドを取り入れてみよう」という気づきが生まれてくるかと思います。

潜在的な能力やモチベーションを引き出す教育コーチングの特徴

教育の本来の目的とは「自立」をさせること。特に近年では新しい価値を探求し、想像するという自立ができる人材が求められています。当然職場でも自立した人材を育成する必要があるので、教育コーチングは効果的というわけです。

コーチングは「傾聴」「質問」「承認」という3つの方法を用いて行うことは冒頭でもご説明したとおりですが、もう少し詳しく解説していきましょう。

教育コーチングの基本概念は「4つのトライアングル」と呼ばれていて、「あり方」「信念」「姿勢」「成果」という要素が重なり合っています。

「あり方」とは、指導するコーチの姿勢で、「信頼」「愛情」「尊重」という3つの要素が重要だとされています。相手を信頼・尊重して、愛情を持って指導することが前提です。

「信念」は、教育コーチングにおける基本的な考え方を表します。「人は成長しよう・育とうとする生き物」「人は自分の中に答えを持っている」「人はそれぞれ個性がある」という3つの信念を基に指導します。

こうしたあり方や信念を前提として、コーチングの「姿勢」、つまりテクニックを使って相手の能力を引き出していくのです。相手の話に耳を向けて深く聞く「傾聴」、相手を認めてあげる「承認」、相手に自分自身を見つめさせて気づきを与える「質問」という3つの手法を使って指導していきます。

そして最後に「成果」が見えてきます。自立した人間、具体的には「今より上を目指す」「人の役に立つ」「謙虚である」という3つを兼ね備えた人材の育成が教育コーチングのゴールとなります。

具体的にどのようなコーチングを行っているか、例を挙げましょう。

学校のテスト前に目標点とそれに向けてどのように勉強していくのかを、コーチングシートに記入します。あくまで子供自身が目標点と行動を決めるということが大切です。

親が目標点と勉強時間を決める「勉強をやらされている」状態の子供と比較して、コーチングシートに記入した子供のほうが勉強に熱心に取り組み、点数が良くなる傾向にあります。

自分で目標を決めてコーチングシートに記入することで、自立したというわけです。こうした訓練を積み重ねることで、勉強においても、生活面においても自立した人間を育成していきます。

問題点が起きたときや行き詰まったときには「何がしたい?」「どうなりたい?」と質問をしてあげることで、方向性を考えさせ、気づきを与えることができます。

子供を例に挙げましたが、これは社会人でも同様です。例えば営業職であれば「契約●件」のように目標を立て、そのために「営業トークを磨く」「商品知識を勉強する」といったプロセスを考えさせることで、自立した人材を育成することができます。

そして、目標を達成したら褒めるという「承認」をしてあげる。行き詰まったら「どうしたら良いだろう?」と質問することで、方向性を気づかせることができます。

「やりなさい!」「この目標を達成しなさい!」とやらせるのはかんたんですが、人は「やらされている」と感じるとモチベーションや能力は十分引き出されないもの。教育コーチングは「やらせ」と比べると時間はかかりますが、その分、自立してその人がもつモチベーションや能力を十分に引き出せるメソッドなのです。

仕事や現場で役立つ心理学の
基本となるのは やっぱりNLP

コーチングをするために必要なのがNLPのメソッド

以上のように、教育コーチングは「傾聴」「質問」「承認」という3つの手法が用いられます。それらを実践するためには、高いコミュニケーション能力が必要とされるため、NLPでコミュニケーションのしかたを学んだ上で教育コーチングを実施するのが効果的です。

例えば信頼を築く「ラポール」や、相手を観察する「キャリブレーション」を活用すれば、コミュニケーションの土台が出来上がります。

質問をするときでも、「メタモデル」を使えば気づきを与え、「ミルトン・モデル」を使えば自発性を引き出すことができます。

実際に行動させるときには「ストラテジー」や「スウィッシュ」を用いると良いかもしれませんし、承認するときには、意識を変える「リフレーミング」が使えます。

以上のように、教育コーチングとNLPを組み合わせることで、相乗効果が期待できます。

特にコーチングをする立場の方には、NLPを勉強していただくことがおすすめ。まずはどのように勉強すればよいか、ご自分に合った方法を探してみて下さい。

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